私たち人間の身体の約60%は水分でできています。残りの約40%は、タンパク質・脂質・糖質・ミネラルなどで構成されています。
水分は、私たちが生命を維持するうえで欠かせないものです。
食事を1〜2日摂れなくても、健康な成人であればすぐに生命の危険に直結するとは限りません。しかし、水分を摂れない状態が続くと、短期間でも重度の脱水に陥り、生命に危険を及ぼす可能性があります。
水分の仕事
① 栄養素や酸素を身体全身へ運ぶ
水分は血液の重要な構成要素であり、栄養素や酸素を全身へ運ぶ働きを支えています。
→ 水分不足によって、頭痛・めまい・集中力の低下などが起こることがあります。
② 体温のコントロール
汗をかき、その汗が蒸発することで、体温を調節しています。
→ 水分不足によって、体温調節がうまくできなくなり、体温上昇や熱中症のリスクが高まります。
③ 体内環境(代謝)の維持
水分は体内のさまざまな代謝活動に必要であり、腎臓が不要なものを尿として排出する働きにも関わっています。
→ 水分不足によって尿量が減少したり、腎臓に負担がかかったりすることがあります。
④ 関節に滑らかな動きを出す・衝撃を吸収する
関節液には水分が含まれており、関節の滑らかな動きや衝撃の吸収を助けています。
→ ただし、関節の強張りや動きにくさは、水分不足だけで起こるものではありません。
⑤ 細胞や組織を健康に保つ
水分は細胞の働きや、身体の組織を正常に保つために欠かせません。
→ 水分不足によって、口の乾燥・肌の乾燥・目の乾きなどが起こることがあります。
水分を1日どれくらい飲むと良いのか?
ここでは、食事から摂取する水分とは別に、飲み物から摂る水分について説明します。
水は1日に1,000〜1,500mL程度をひとつの目安として飲んでいただきたいです。
ただし、必要な水分量は年齢・体格・活動量・気温・発汗量などによって変わります。特に運動をする方や汗を多くかく方は、さらに多くの水分が必要になります。
ちなみに、食事から摂取できる水分は、おおよそ800〜1,000mL程度とされています。
そして、もうひとつが「代謝水」です。
代謝水とは、体内で栄養素(糖質・脂質・タンパク質)が酸化され、エネルギーに変わる際に作られる水のことです。
この代謝水は、1日あたり約200〜300mL程度作られます。
これらを合計すると、1日あたり約2,000〜2,800mL程度の水分を身体に取り込んでいる計算になります。
実は、私たちの身体から排出される水分にも、いくつかの種類があります。
まず「尿」で、約1,000〜1,500mL。
次に「皮膚からの蒸発や汗」で、約500〜700mL。
3つ目に「呼気」で、約300〜400mL。
最後に「便」で、約100〜200mL。
これらはあくまで一般的な目安ですが、私たちは毎日、さまざまな経路から水分を失っています。
つまり、身体から失われる水分を、日々しっかり補うことが大切なのです。
水を一気に飲んでもいいのか?
「水が吸収できるのは15分間に200mL程度」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、実際には水分の吸収速度は個人差や身体の状態によって変わるため、一律に決まっているわけではありません。
とはいえ、水を一度に大量に飲むことはオススメしません。
一気に飲むと胃に負担を感じることがありますし、極端な量を短時間で飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下する危険性もあります。
そのため、喉が渇く前から、こまめに水分を摂ることを意識していただきたいです。
白湯(温かいお湯)の方が冷水や常温水よりも良いのか?
ここに関しては、白湯の方が冷水や常温水よりも「健康に良い!」「体温が上がるから良い!」と言われていますが、実は白湯が常温水や冷水よりも健康に良いという、十分に確立された科学的根拠はありません。
ただし、みなさん「白湯を飲もう!」と健康意識が高くなっている時って、きっといつも以上に水分を多く摂っている可能性があると思います。
だからこそ、白湯を飲み始めて体調が良くなったと感じる方の中には、水分摂取量が増えたことが関係している方もいるのではないかと考えています。
大切なのは、白湯・常温水・冷水のどれを選ぶかよりも、自分が飲みやすい温度で、必要な水分をしっかり摂ることです。
清涼飲料水も水分補給に入るのか?
清涼飲料水も水分補給に入りますが、ここは強くオススメできません。
理由としては、砂糖が多く含まれている商品もあり、日常的に飲み続けるとカロリーや糖分の過剰摂取につながりかねないためです。
もちろん、運動時や大量に汗をかいた際など、糖分や電解質を含む飲料が役立つ場面もあります。
ただし、普段の水分補給であれば、シンプルな水や無糖のお茶が良いでしょう。
カフェイン入りの飲料も水分補給に入るのか?
緑茶やコーヒー、特にコーヒーに関しては毎日飲んでいる人も多いのではないでしょうか?
カフェイン入りの飲料も、水分補給に入ります。
カフェインには利尿作用がありますが、普段から適量のコーヒーやお茶を飲んでいる方であれば、飲んだ水分以上に排出され、必ず脱水になるというわけではありません。
そのため、コーヒーや緑茶を飲んだからといって、水分補給にならないわけではないんです。
ただし、カフェインの摂りすぎは睡眠や体調に影響することもあるため、飲みすぎには注意していただきたいです。
個人的には、日常の水分補給は水を中心にして、コーヒーやお茶は楽しみながら適量を飲むことをオススメします。
脱水の症状を見分けるポイント
まず、ご自身の体重を仮に100kgとしましょう。
体重に対して、どれくらいの水分を失っているかを考えると、脱水の程度をイメージしやすくなります。
- 体重の約1%(約1L)の水分減少:喉の渇きなどが現れることがあります。
- 体重の約3%(約3L)の水分減少:喉の渇きが強くなり、頭痛・めまい・疲労感などが現れることがあります。
- 体重の約5%(約5L)の水分減少:強い脱水状態となり、頻脈・血圧低下・強い倦怠感などが現れる可能性があります。
- 体重の約9%(約9L)の水分減少:生命に関わる重度の脱水状態であり、意識障害などを起こす危険性があります。
※これらはあくまで目安であり、症状が現れるタイミングには個人差があります。
夏場によくある熱中症についても、脱水は大きな要因のひとつです。
ただし、熱中症は脱水率だけで決まるものではなく、体温の上昇や高温環境なども関係しています。
そこで厄介なのは、水分をすぐに摂れば、必ずしも脱水状態からすぐに回復できるわけではないということです。
軽い脱水であれば比較的短時間で改善することもありますが、重症の場合は医療機関での治療が必要になり、回復までに時間がかかることもあります。
特に、意識がおかしい、自力で水分を飲めない、強いふらつきがある場合などは、速やかに医療機関へ相談してください。
1日で体重が1kgも減る人は要注意!!
ダイエット期間中、すぐに体重が落ちるのは嬉しいですよね。
ただし、気を付けてほしいのは、
【そんな簡単に脂肪は落ちない!!】
ということです。
頑張って運動したとしても、脂肪を大きく減らすには、基本的に数週間〜数ヶ月以上の継続が必要になります。
もし、1日でガツンと1kgも落ちてしまった場合は、そのほとんどが脂肪の減少ではなく、身体の水分量や胃腸の内容物などの変化である可能性が高いです。
特に、大量に汗をかいた運動の前後で体重が1kg減っていた場合は、約1Lの水分を失っている可能性があります。
ただし、体重が1kg減ったからといって、必ずしも脱水状態とは限りません。
だからこそ、ダイエット中は毎日の体重の増減だけに一喜一憂するのではなく、数週間単位での体重の変化を見ていただきたいです。
そして、運動後は減った水分をしっかり補給することも忘れないようにしましょう。



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